犠牲の上に成り立つファストファッションの真実!「ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償」

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普段私たちが着ている服がどのように生産・製造されて、それがどのような問題を引き起こしているか?っていう話。

映画を観る前から何となく、昔小学校か何かで読んだ「鉛筆がどのようにできているか?」みたいなアレとか、よくテレビとかで観る「チョコレートのカカオの生産者はそれが何になるのか見たことがない」みたいな話なんやろなぁって思ってた。

でまぁ実際観てみると、華やかに見えるファッション業界の裏側で安い賃金で危険な仕事強いられてるっていう、予想通りの話やった・・・予想通りの話ではあったけど、やっぱりこうして映像で実際に働いてる人の姿や声を聞くと、何となくそういう人が居るって理解しつつファスト・ファッションを購入してた自分に嫌悪感を抱いた。

「映像でさまざまと見せつけられへんと、ここまで深刻に考えられへんくらい俺は酷い人間やったんか!」って。

実際、映画の途中までは「幾らファスト・ファッションとか否定しても、消費者は安い方がありがたいし、可哀想やけどそういう人がいるのは仕方ない」

とか

「資本主義ってそういうもんじゃないん?」

って思って観てた。

でも、やっぱりその考え方は間違ってた。そういう事実を知りながらそれを割り切れるっていうのは、経済的で貧しい国の人たちを同じ人間として見てないっていう事と同等の事やと思う。

例えば第三世界では、労働者が安い賃金で長時間過酷な条件で働かされている。映画にも出てきたバングラディッシュのラナプラザ・ビルの崩壊は、従業員が建物のヒビに気づき、事前に経営者側に訴えたところ、持ち場に戻って作業をするように言われ、その後にビルの倒壊が起こった。この事故で亡くなったのはなんと1000人以上だったとか。

第三世界の多くの労働者は最低賃金の引き上げや労働条件の改善に声を上げても、政府がそれを許さない。なぜなら、そういったファッションブランドの大企業からの収入は必要で、他所の国に移られてしまっては困るから。

「企業が少しでも安い国に工場を置くのは当たり前やろ」と多くの人は思うかもしれへんし、俺もそう思ったけど、第三世界にある縫製の工場の多くは、その企業が持っている工場では無いので、事故が起こってもその企業は一切関係ない。これがフェアやと言えるんか?企業は実際にその国で労働者がどんな働き方を強いられているかに目を向けずに、ただその国に対して「最低賃金を上げられては困る。他所の国に移る」とプレッシャーを掛けるだけで、その結果に責任は持たない。

影響力が大きくなるにつれて、それに伴う責任が増加してしまうのは、めんどくさいけど、そうじゃないとあかんと思った。

この映画はアパレル業界を中心に話が進んでいくんやけど、ファスト・ファッションの問題は生産者自体だけの問題じゃなく、もっと根深い事問題も取り上げている。

例えば、綿花の栽培に大量の農薬が使われてる。農薬を使うと土壌が汚染されるので他の作物が育たなくなるし。悪名高いモンサントのラウンドアップなど、強力な除草剤は栽培している作物自体も殺してしまう。そこで農薬に耐性を持った遺伝子組み換えの種子を使う。特許が取得されている遺伝子組み換えの種子は在来種に比べ高価な上に、次世代では発芽しないようになっているので、生産者は毎年種子を買わなければならない。生産者は農薬や種子に高いお金を払わなけばならない上、強力な農薬は生産者の人体に多大な健康被害を与える。そして病気になった時に処方される薬の多くが、原因になった農薬会社の関連企業という事実。

また、インドのある会社では工場から汚水をそのまま海に流し、それが人々の生活用水になっているので周辺住民の健康に大きな被害をもたらしている。

このようにファスト・ファッションの問題は、生産者の賃金だけでなく生産者や周囲の人々の健康被害、環境への影響など、価格以上の計り知れない多くのコストが掛かっている。ファスト・ファションは真の意味で「安い」のか?

そう考えると、「安いから買う」とか「お金さえ持ってたらちゃんとしたの買うわ」っていうのは、あんまり合理的な考え方じゃない。代償があまりにも高すぎる。

はたして悪いのは、安価な物に飛びつく消費者なのか?それとも低賃金で人々を働かせる大企業か?もしくは大量消費を煽るマスコミなのか?規制しない国なのか?

それぞれの立場で考えれば、企業が生産コストを安くしようとするのは「当たり前」やし、労働者が生きていく為に目の前の仕事をするのは「当たり前」やし、マスコミが流行りの店を取材するのも「当たり前」の事やと思う。そんで国は国で自分達の国の利益を追求するのも「当たり前」の事やと思うし、逆にそれぞれに責任があると思う。

で、何が言いたいかというと、きっと俺らが普段「当たり前」やと思ってる事がすでに狂ってるねんな、と。いや、それが資本主義の立場で言えばやっぱり当たり前なんかな。

ってことはそれに違和感を覚えたってことは、今の俺には資本主義が狂ってるって事なんか。

でも「じゃあお前はどうやって生きてくねん?」って言われたら、なんもわからん。なんもわからんけど、少しくらいは自分の日々の「消費活動」とか「選択」について見直してみようと思った。

まぁ俺も趣味程度やけど、アパレルの製品作ったりしてる以上、もっと色々考えなあかんなぁ、と。

この映画で取り上げられている問題は必ずしもファッション業界だけの問題ではない。

ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償はAmazon プライムビデオかNetflixで視聴できます